いしいひさいち『ROCA原画展』 ＠カフェシャトンルージュ

いしいひさいち先生の、ののちゃんのスピンオフ漫画『ROCA』の原画展。名古屋市中区の猫カフェシャトンルージュさんでの開催。

原画にはホワイト修正がたくさんある。切り貼りで修正したあとがたくさんある。服のデザイン、アクセサリー、書き文字あらゆるところに修正があって画面が微妙なバランスで計算されていることがわかる。
鉛筆画の人物絵がいくつかあるが、それはスタンダードな上手さの線だ。それがペン入れされると独特の味のある線になる。コミカルな場面だとそれはフラになるし、歌や暴力の場面では、シンプルな線で強烈な迫力を出している。暗闇で歌うROCAの姿の迫力よ。
人物は基本シンプルな線だが、服などに濃密なカケアミを使う事がある。ほぼ真っ黒なカケアミの微妙な濃淡の違い、線の方向の違いで服の質感や形を表している。製本版ではカケアミがやや潰れてしまっていているが、原画ではそこがはっきり見える。例えばROCAの真っ黒なスカートは、質感、形、なんならスカートの下の脚の形まで感じられる。

いしいひさいち先生の原画すごいなあ。

猫カフェ シャトンルージュさん、スイーツの旨さは折り紙つき。紙ナプキンやらカラトリーのあちこちに猫の意匠があるのが良い。猫は天井の透明な花道にのんびりいて、運が良ければ香箱座りの猫を下から（！）ずっと眺めていられる。今日は客席からちょっと離れたところで香箱座りしていたので遠目に眺めていました。2025年9月に閉店予定だとか。