吉笑知新 立川吉笑独演会 vol.5 (2023年2月11日) @名古屋市博物館講堂
2022年のNHK新人落語大賞を受賞し、真打ち挑戦に向けて着々と歩を進める吉笑さんの独演会。お客さんは100人弱くらい。演目は以下。
- TION
- 妲己のお百 (中入り)
- カレンダー
最初のマクラに前回の独演会(10月)以降の近況をひとくさり。NHK大賞の話がメイン。賞当日までの間に他の出演者と自分と審査員についての展開を、最善から最悪までパターンをいくつもいくつも頭の中でシミュレーションするところは吉笑さんらしい逸話。優勝者インタビューを何パターンか用意してたのに、いざ優勝したら知らぬ間に泣いていて気の利いたことが話せなかったというのも、らしいといてばらしいお話。
新作落語の『TION』と『カレンダー』は、どちらもどこか不条理な現象が起きて、無茶苦茶な状況へエスカレーションしていくのが可笑しかった。その上で落語が言葉だけで描写する芸であることを逆手に取った、とんでもないビジュアルのギャグが挟まっていてこれが上手かった。
『妲己のお百』は、九尾の狐の生まれ変わりと言われる稀代の悪女を題材とした古典。まったく救いのない話で、異様な緊張感を最後まで保っていた。出だしが暗唱芸っぽかったんだけど、クライマックスの○○○が○○○を殺すシーンでは、緩急つけた描写で不穏な雰囲気がよくでていた。
吉笑さんの落語は、どちらかというと《演劇》要素が強いなあというのが全体の感想。たしかに新作2本は不条理に翻弄されるテンションが大事だし、今回の古典は悪党が悪いことをする悲劇で、緊張感が必要な作品なんだけど、2時間ずっと緊張感が高いのは、ちょいとしんどかった。
ちなみに物販で手ぬぐいがあったので、購入。ステッカーやデジタルカード(ネットでなにか聞けるやつ?)もありました。
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