reframe THEATRE EXPERIENCE with you 〔映画〕
perfume結成20年間のデータ(歌、動画、写真etc)を再構成してライブパフォーマンスにした 2019年10月の渋谷のライブを映画にしたもの。

私はperfumeのそこまで熱狂的なファンではないので彼女らのライブは見たことがないが、 アルバムを何枚か持っていてipodでたまに聞くくらいには好きである。 またテレビの音楽番組をほぼ見ていないので、 たとえば紅白歌合戦でperfumeがどんなパフォーマンスをしたかについて、 すごいことをしたと噂に聞くだけで実は知らなかったりする。が、心地よい音楽と スタイリッシュな画像が見られるだろうと期待して映画を見に行き、その期待は 裏切られなかった。
踊るperfumeに合わせて、3人の影絵がバックで大きくなったり小さくなったりしながら 踊っている。あるいは無数の輪郭線で、あるいはポリゴンに化けて、あるいは 前、横、後から見た彼女たちの動画が同時に踊りにシンクロしている。 事前のプログラミングでないことは、服のヒラヒラまで同期していることでわかる。 見ていてとても気持ちいい。
プロジェクションだけでなく、彼女らの踊る手先の位置に合わせてスポットライトの 光線束が追いかけてくるような能動的なインタラクティブな演出も数多くある。 これらインスタレーション的でもあり、 そのままどこかの現代美術館で作品展示してもいいのではないだろうかと思うくらいだ。
印象的だったのが、舞台上でかしゆかとのっちが小型カメラで撮す あーちゃんの姿が、リアルタイムで加工された背景のなかで、3人が歌っている最中に、 カメラが客席に向くと、一瞬写った観客がそのままポリゴンとなり、 視点がそこから一気に飛び上がり上空からの俯瞰になる演出。 観客までをも《素材》にしてリアルタイムでライブの一部に巻き込む場面は、むうとうなって しまった。
途中で、20年間のアルバムタイトルとジャケット写真、ライブツアーのテーマと キービジュアルを知らないとよくわからない演出があったりするので、 perfumeファン上級者向けな映画なのは確かなのだけど、 最初にかいたとおり、心地よい音楽とスタイリッシュな画像を漠然と見に行っても 楽しめる映画だった。
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