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2020年6月の記事

2020.06.30

のぞき穴演劇 『PeePingTom』@ 石巻のキワマリ荘【ちょっとだけネタバレあり】

新型コロナCOVID19対策で、1人芝居を観客1人で見るという企画。演者と観客の間には濃厚接触を避けるための仕切りの壁があり、そこにあいたのぞき穴から芝居をみるという安全確保のための装置を、さらに演劇の装置として使う面白い演劇だった。

のぞき穴演劇 『PeePingTom』場所は石巻のキワマリ荘のjugei。

キワマリ荘は石巻の中心街の寿町通りから小さな路地を入った

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2階建ての一軒家で

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jugeiはその2階の1室。

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私が見たのは第2話「Do」(出演:大橋奈央)時間は20分弱。

小さなのぞき穴から見る1人芝居は、登場人物から見られることがないという一方的に見る立場で不思議な感じがした。特権的に見る立場は、登場人物に同化するよりも客観的に眺める傾向がつよくなり、異化作用の強い舞台になっている。

そして、のぞき穴のある壁には、写真がたくさん貼ってあり、写真にはブルーインパルスや東京や石巻の町など、芝居に登場するモノが写っている。こののぞき穴も、他の写真と同じような、壁に貼り付けられた1つの思い出の中をのぞいているのかもしれない。その奇妙な感じも現実感を危うくしている。

一方、芝居は、劇的なことが起きるわけでもない。別れて東京と石巻に離れることになった恋人とのスマホ越しの痴話げんかが特にくぎりなく続いている。その会話の中で「いま居るギャラリーに芸術家が住んでいる」「ゴミに絵を描く芸術家」というこの芝居がこの現実のキワマリ荘が舞台であるという言及があり、虚構ではない日常的なできごとがくりひろげられている。

このいまここの石巻での日常という非常に同化作用の強い芝居が、のぞき穴という非常に異化作用の強い舞台にあるという、この組み合わせが非常に面白く感じた。

構成で感心したのが、のぞき穴の覆いがとられて芝居が始まり(その時、その覆いがスマホの画面であることが知れる)、最後、再びスマホの画面でのぞき穴が覆われ、その画面にスタッフロールが流れて芝居が終わる。石巻の今をここを舞台にした演劇だけどこれはフィクションで、ここで終わりだよとちゃんと終わるうまい構成だ。もしかしたら、こののぞき穴から見ている演劇はスマホの中の思い出を覗き見しているかもしれない、と考えるのはうがち過ぎかもしれないが。

オンラインで各話の背景などを説明するビデオも流れている。最終の第4話が7月26日まで、残念ながら6月末日時点で全日完売とのこと。

【公式サイト】PeePingTom(ウィルチンソン)

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J2:ファジアーノ岡山 2-2 レノファ山口:2020年第2節 〔DAZN観戦〕

岡山は田中と浜田の安いミスから2失点したが、相手が山口の外国人エースのイウリで、カウンターから1対1になったときに予想以上に相手が強かったために起きたミスに見えた。第2節ということも考えると、スカウティングが(物理的に)足りなかったために起きたミスであろう。強烈な外国人ストライカーとシーズン初めにあたるチームにはよくあることだ。次回対戦するときまでにはイウリの分析と対策をしっかりしてほしい。

山口の攻撃は、全般的に早いパスでハーフスペースをほぼオートマチックに使いながら前進してくるが、岡山の守備はブロックを組んで堅く守り山口をほぼ進入させなかった。組織的な守備がきっちりできていたと思う。パウリーニョが高い位置で奪取する場面も少なくなく、このあたりの連携もできている感じだ。

岡山の攻撃は、中央を固める山口の守備をなかなか崩せなく、前半は低調だったが、後半は崩せずとも厚みのある攻撃ができていて、得点は2点とも高い位置でボールをキープした後の粘り強い攻撃が実ったもの。1点目は高い位置でボールを受けた徳元から中央へ折り返し、わずかなスキをついて清水が頭で押し込んだ。2点目は相手ゴールライン間際の混戦でボールを持った上田が、左足を完璧に抑えられたとみるや右足で小さなクロスをあげてフリーのイヨンジェが頭にどんぴしゃで合わせてたたきこんだ。どちらもきれいに崩したわけではないが、力業でこじ開けた得点である。

あと目立ったのが松木で、プレシーズンマッチでは危うかったが、この試合、守備は大過なく跳ね返し、攻撃は高い位置でボールを保持しており、いい起点になっていた。足がつってしまったのはご愛嬌だ。

次の対戦相手のジュビロ磐田は、左右に大きくサイドチェンジしてスキをつくって攻めてくるチームであるが、中央をしっかりまもればなんとかなりそうな相手である。順位に直接対戦結果が大きく影響する今年のレギュレーションでは、昇格候補を直接たたいておかないとなかなか自動昇格は苦しい。次節はスキなくいい試合で勝利してほしい。

【追記】

■たくみさんのレビュー『課題・収穫・可能性~第2節ファジアーノ岡山VSレノファ山口~|たくみ(サッカーライター志望)|note

■ファジスキーさんのレビュー『いざ、新しい日常へ~J2第2節 ファジアーノ岡山VSレノファ山口~|ファジスキー|note

■レノファ山口からみた試合分析。ファジアーノが後半なぜ高い位置に押し込めたかなどが分析されています。『(1) イタチ@レノファ系youtuber |レノファ山口対ファジアーノ岡山徹底分析!レノファが攻めきれなかった理由とは!? https://t.co/ZpiYJ3CFup」 / Twitter

 

 

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2020.06.02

南三陸はしりぬけ日帰り旅行

緊急事態宣言が緩和された5月の下旬、天気がいいので、三陸海岸沿いなら人も少なかろうと思い立ってぐるっと電車、バスで走り抜けてきました。

行程は以下の通り。

  1. 石巻 06:51 石巻線 07:11 前谷地
  2. 07:33 気仙沼線 07:56 柳津
  3. 08:14 BRT気仙沼線 09:59 気仙沼
  4. 10:01 BRT大船渡線 11:30 盛
  5. (昼食)
  6. 13:00 三陸鉄道 13:53 釜石
  7. 13:25 三陸鉄道 15:50 宮古
  8. 16:09 山田線 18:20 盛岡
  9. 18:50 はやぶさ42号 19:29 仙台
  10. 19:50 仙石線 21:15 石巻

とくだんの目的もなく周回したので、感想はそぞろに記してみます。

BRTのバスはこんな感じ。普通のバスでSUICAやODECAが使えます。

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三陸海岸はリアス海岸なんですが、南端の気仙沼や大船渡では溺れ谷の長さが長くてフィヨルドみたいな感じですが、

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釜石くらいになると、谷が短くコンパクトな入り江となります。

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さらに宮古に近づくと平地が広く鉄道も内陸を走るようになって、車窓がちょっと単調になります。

BRTは、元が単線路線なので、道路幅も一台分で、離合のための待避所が1キロに2箇所くらい設けれています。

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むかし踏切だった交差点は、バスレーンの方に遮断器がついています。この遮断器はどちらかというと一般車の迷入防止のためかな。

BRTも橋が工事中だったり、区画整理の最中だったりで専用線の無いところも少なくなく、一般道を走る区間も多々あります。堤防工事が最盛期の場所もあり、震災から9年経ってもまだまだ復興は途上なのが実感できます。

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気仙沼から陸前高田の間は、ほぼ一般道を走ります。たぶん大船渡線が不便な山中を走っていたので、利便性の高い浜沿いにルートを変えたのでしょう。そんぶんBRTっぽさはなくなりましたが。

陸前高田の高田松原の奇跡の一本松。一本松の近くに道の駅兼用の津波伝承館が建っています。

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ちなみにBRTは1時間以上の長距離運行ですがバスにトイレがついていません。停留所に到着した時に運転手さんに断ってトイレにいくことになります。小さな停留所ではトレイがないところもあるので注意です。

それとBRTバス車内の掲示で知ったのですが、BRTは、JRやBRT大船渡線、BRT気仙沼線間で接続運転はしてないとのこと。今回の気仙沼駅の2分の乗り継ぎは実はリスキーだったのかもしれなかったです。

盛駅からみえる今出山のヤマツツジ。遠目にも綺麗でした。

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昼食は喫茶ロレアンでドリアプレート。

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ランチセットでサービスの珈琲がとても美味でした。

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盛駅のBRT転向所と三陸鉄道の終点と、右側を抜けるのが岩手開発鉄道の線路。面白い光景です。

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三陸鉄道の電車。ツイッターで指摘されて気づきましたが熊本ヴォルターズカラーですね。

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鵜住居駅から見える鵜住居スタジアム。ラグビーワールドカップのときにあったゴール裏とかの仮設スタンドがなくなっているのがみえます。鵜住居駅周辺には新築の住居がずいぶん増えてました。

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宮古駅から山田線は閉伊川沿いを西進します。なかなか綺麗な渓谷をはしりぬけます。

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残念ながら山田線からは早池峰は見えませんでした。

昼食をはさんで13時間電車やバスに乗り続けたので、家に帰ってからもしらばらく身体が揺れている感じがしました。大船渡や宮古はまたゆっくり訪ねてみたいなあ。

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