映画:カツベン!
たぶん奈良の片田舎、誰もが何かしら悪いことをしないと生き延びられなかった時代、活動写真の興行と活動弁士を巡って 人々があがきまわるコメディ。
ステレオタイプな登場人物が芝居がかった行動と芝居がかったセリフをやりとりする、 まさに無声映画みたいなドタバタのハチャメチャなコメディを、ワクワクしながら見せてもらった。
「観客は映画を見に来てるのではない、弁士を見に来てるのだ」と自信満々の茂木、 「映画はフィルムだけで完成しており弁士は余分な説明を加えているだけ」と嘯く山岡、 青木館のピンチに燃え残ったフィルムを四苦八苦してつないだデタラメな映画を弁士の説明で作品にしてしまう国定、 三者三様の活動弁士に対する取り組みは、どれが正しい/間違いというわけでもなく、 それぞれが真摯な態度であり、それゆえ彼らが紡ぐ物語は須らく骨太の物語となる。
最初から最後まですれちがいを続ける梅子と俊太郎も良い関係である。 直接的な言葉の表現は1つもなく、しっかり思いを確認したわけでもないのに、2人の気持ちははっきりと観客に伝わってくる。 それこそ《絵の力》である。
琴子の悪女ぶりも良かった。自分の欲望に素直に、美意識高く行動する琴子。それでも手に入らない俊太郎にしたキスは キャラメルの味がしたのだろうか。
良い人は全然でてこないが楽しい良い映画だった。
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