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2019.01.07

アスリートのマーケットバリューについての補論

五勝出拳一さんが、えとみほさんの発言に触発されて書いた『アスリートが高めるべき3つのVALUE』(→note の当該記事)、 ザクッとまとめると、日本のアスリートはプレイヤーズバリューを高めることをつきつめて来てるんだけど、もっとマーケットバリューやストーリーバリューも アスリート自身が高めようよ、という話である。

ただ、古来日本スポーツ界には、マーケットバリューの方が高いアスリートを「客寄せパンダ」と揶揄する風潮がある。(それが日本のアスリートがプレイヤーズバリューのみを追いもとめて来ている原因の1つにもなっていると思われる。)そういうパンダをつくりたいのだろうかと古参のスポーツファンはちょっとモヤるところがある。

しかし、この今のマーケットバリューの向上を目指すアスリートは、 《揶揄すべき客寄せパンダ》なのかどうかはしっかり評価しないといけない。 そしてそれはえとみほさんや五勝出さんの発言をよく読めば違うということが 判るのであるが、そこをはっきり言語化しとかないと、古参のモヤが消えないと思うので、ちょっと書き記しておきたいというのが今回の記事の趣旨である。

五勝井さんもいちおうこの辺に風潮に配慮してか「優先順位は①プレイヤーズバリュー>②マーケットバリュー」だとは言っているけど、例にあげてるのがイニエスタというマーケットバリューの化物だったりするし、えとみほさんも、J2でもマーケットバリューの方が大きい選手に注目するとか発言している。実際《パンダだろうが活用して生き残らなければいけない状況になっているので、いいパンダになりましょう》という主張であると思われます。

ここで、えとみほさんの関連する発言の《市場にちゃんと向き合って》 というキーワードに、大きな意味が出てきます。

従来、スポーツ界の客寄せパンダはマーケット分析なんかせずに作られて、 思いつく例でいえば、《運》や《過去の栄光》や《虚像》 でバリュー作られている。 だからがゆえに揶揄されるべきものであったのではなかろうか。 パンダは、パンダに生まれついた運でバリューが生じ、過去の栄光や虚像の 例は、わざわざ私が挙げなくても思いつくのではなかろうか。

ひるがえって、今現在目指そうとしているパンダは 『SNSを活用するノウハウ』があり『市場にちゃんと向き合って』作る マーケットバリューのパンダとなれば、これは《今現在の実力》で 作ったバリューとして揶揄されるものではないと言えるだろう、 というのが今回の結論です。

以下、余談

別の分野での似た話では、AKB商法は、①プレイヤーズバリューより②マーケットバリューがはるかに大きくてもいいじゃないかって割り切った戦略で、そこに成長物語と卒業のようなストーリーバリューの味付けもして成功している例でしょう。 また、新日本プロレス全日プロレスから、シューティングな団体が各種独立しては潰れて、その後、大阪プロレス、みちのくプレとか娯楽に振り切った団体が発生する過程は、プレイヤーズバリューとマーケットバリューの重視のバランスが時代に合わせて変化している状況とみることもできるでしょう。てなところまで、応用が効く話じゃないかと考えているところです。

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