コミケ91:『Aogacho artworks vol.2』(アオガチョウ)
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シネマ歌舞伎『阿古屋』を見た。なんというか面白い面白くない以上に凄いものを観た感がある。
最初15分が舞台の裏側のドキュメンタリーで、本篇がプラス90分の全部で110分近い上映。
評判の玉三郎の三曲の演奏は、音楽的な良し悪しはよく解らないが、演奏する姿がとても綺麗だった。
そして、岩永左衛門ひとりだけ、生身の役者の後ろに黒子が2人つき、人形振りのロボットダンスで演じる狂気の演出よ。 科白も全部役者じゃなくて義太夫で語る徹底ぶり。元ネタが人形浄瑠璃だからなんだろうけど、それ以上にこの役がスタートレックでいうスポックやデータの役なんだと後で気づいた。
まずもって、阿古屋の登場シーンの花道の群舞がヒップホップ的。水責めをしようと出て来る竹田奴の、 歪んだ顔のメイクと、ゆーらゆら揺れる所作の狂気よ。
琴責めということで、お白州の拷問が、何故か琴、三味線、胡弓の演奏になるところは、若大将の加山雄三がギターを、裕次郎がドラムをいきなり演奏する映画と同じノリなんだろうなあ。
阿古屋の演奏シーンで、ヒトノココロが解らない岩永が、 背景で飽き飽きして居眠りしたり、 火鉢で悪戯したりする小ネタの仕草まで、いちいち人形振りでやる芸の細かさよ。
ワンピース歌舞伎とか、ピコ太郎のパロディとかも鑑みて、
歌舞伎の奥深さと自由闊達さに、あらためて
あきれる感心する次第であった。
シネマ歌舞伎は、京都東京じゃなくて気軽に歌舞伎が観られるという意味で、いい企画だなあ。
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落語をドラマ仕立てで放送しようという試みは何度もあったけど、大概は失敗するか、 笑い話とは別物の感動物語になってるんで、この「超入門落語the movie」 も期待せずに見たのだけど、これが強烈に可笑しい。
新しい特徴は、落語を俳優が演じ直すのではなく、落語家の語りはそのままで俳優は当て振りで演技をするという所。 落語の語りのテンポの良さ、場面転換の早さをそのまま活かした画面が妙に可笑しい。総集編のメイキングで、 俳優が落語家の語りの速度に合わせるのが大変だったと語っていたし、カメラワークが切り返しの時はセリフの度に ぱんぱんアングルが変わって普通のドラマと比べると目まぐるしいくらいである。普通の演劇と比べると落語のテンポはかなり速いようである。
このテンポの良さを残したまま、コミカルなビジュアルを加えたところが勝因ではないだろうか。
「元犬」の裸のおっさんや「紙入れ」の奥さんのビジュアルのインパクトは強烈だったし、 「粗忽長屋」の宿六や「目黒の秋刀魚」の殿様の与太郎な表情がじわっと可笑しい。 「お菊の皿」の、お菊の親衛隊や調子に乗った着飾ったお菊とか実際見てみると改めてバカだねー。
落語の面白可笑しさを紹介する番組として、大成功じゃないかなあ。番組の締めの言葉も良い。
《『なんでい、落語って面白れえじゃねえか』、なあんてもし思っていただけたなら、今度はぜひ寄席に足を運んでみてください。アナタの脳の中に映像が浮かび上がってくるはずです》
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林家正蔵の演芸図鑑(NHK総合;2017年1月22日放送)で小佐田定雄氏へ正蔵師がインタビューしてて、その中で興味深い発言があったので、メモがわりの記事。
逐語記録じゃなくて大意です。
(落語の魅力は?)最終的に裏切るから。せっかく作ったやつをいっぺんにボーンと壊すから。 ジグゾーパズルみたいにちょっとずつピースをはめて行って、最後のひとことをポーンといれたとたん、バラバラと壊れてしまう。消えてまうから、登場人物もあまり思いつめない。 愛宕山の「小判を下に忘れてきた」って普通は悲劇です。これが笑いになるのは、嘘でした、思い詰めませんよという芸だから。
(落語は起承転結の結が無いですよね?)そう、嘘でした。はい帰りましょう、ということです。
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『M-1グランプリ2016の漫才を分類してみた』の続きです。
全般の印象は、今回のM-1も、会話、漫才芝居、コント漫才それぞれあって、最終決戦もたまたまだろうけど漫才芝居、コント漫才、会話の漫才が1つづつでバランスが良いと感じた。決勝の3組はそれぞれの形式を上手く活用した完成度の高い漫才で、誰が優勝してもおかしくなかったと思う。
個別の感想で、形式的に面白かったのは、スーパーマラドーナのファーストラウンドかな。Aの1人コントをBが芝居の外から突っ込む形式は、下手くそな3人のコントでよくある2人の芝居に1人が芝居の外から解説するのに似てるけど、
サゲのどんでん返し(「エレベーターの中の人数が実は2人きりでなくて3人だった」、「田中は2人目でなく3人目だった」)について、1人芝居の文法とAの芝居が下手なのを上手く逆手に取ったミスリードで、さらに、全くのコントでやると観客に伝えるのに高い演技力が要る所をBのつっこみで解説することでわかりやすくした点で、よく練れた構成だった。
完成度は違うが九十九一のお笑いスタ誕の確か9週目の『殺人家族』に近いものを感じた。
ただ、前半の、Aがコントで可笑しいことをしてBが解説する部分は、
今回はミスリードを醸成するために必要ではあったけど、《下手くそなコントと同じ形式》である分表現が冗長で、笑いがモニョモニョした。
相席スタートも、後半の漫才芝居の《比喩的状況》の言葉を言葉通り《野球のバッターボックスの動作》として演ずる、設定自体がボケた芝居にしてしまった力技は面白かった。ただ、Bのボケた動作へ、Aがボケたつっこみをすることとなったので、全体的な可笑しみはあったけど笑いどころがボヤッとしてしまったのが残念。かといって会話で大いにボケていたAが漫才芝居になった途端に常識でつっこみだすのも不自然だし、どうしたら良いかは難しい。多分、女性のAがそのままボケた野球の芝居をするのが笑い的には正解だろうけど、男女の役割があってそう簡単にもいかない。上手く整理できるともっともっと面白くなると思う。
スリムクラブは、芝居を全く壊さないコント漫才に、Aが通常は漫才芝居で使うようなとんでもないボケをつっこんでくるのに対し、Bがじっと耐えて芝居を続ける構成がジワッと笑える面白い挑戦だった。 しかし、Bが芝居を壊さないつっこみだから、ボケの提示した緊張の解消が弱い欠点がある。その分ボケがどんどんエスカレートするとか、最後に大きく芝居を壊すサゲをいれるとか、もうひと工夫する必要があるなあと感じた。
和牛は正当なコント漫才。芝居を壊さないので緊張がどんどん上がっていって、最後のAがキレて暴れるのが大オチになる。ファーストラウンドも決勝も上手かった。
銀シャリは正当な形式のしゃべくり漫才。AとBの会話でAのボケにBが常識でつっこむがテンションが上がって、非常識なボケのつっこみに変化することで笑いをとった。
スーパーマラドーナの最終決戦のネタは、最初は芝居の中でボケてたのが、だんだん芝居の文法を壊すボケにエスカレートしていく(マゲのカツラが動作とズレる。裏番組から混じって来て切られる。)、漫才芝居の特徴を良く活かした良い笑いだった。
いろいろ書いてみて思ったけど、
まずは、分類をしてみて、漫才芝居やコント漫才をまでボケとつっこみの述語で語ってよいのかはちょっと疑問だった。明白なボケ役はあるにはしても、ここは課題としておく。
また、カミナリや銀シャリなどの《常識のつっこみ》が、だんだん正しさ過剰になって《笑いを上乗せするつっこみ》に変質する(例:「つま弾くな、いたずらに」「ドレミファソラスドって津軽の音階か」「うんちくんのゆるキャラもう下痢やから」)のに何か名前をつけたい。
常識の人間がボケのエスカレーションに引っ張られて狂気に踏み込んで笑いを上乗せする《つっこみ》を、春日(オードリー)のようなボケで笑いを取るとつっこみ区別したい。やっぱつっこみの分類は、述語を整理するためにちゃんと考えてみないといかんな。
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M-1グランプリ2016の漫才を、以前と同様に分類してみました。
記述する項目は以下の(最大)3つ。
以下出演順
分析や感想は稿を改めて。
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先般の記事で、現在17都道府県でHPAIの野鳥監視重点区域が設定されているところだと書きました。
野鳥に関しては通常は生息密度が小さいのでHPAI感染鳥が居ても大きな流行になる 確率はそう高くはないのですが、 日本の場合、新潟の瓢湖みたいに一箇所に数千羽から数万羽の渡り鳥が密集して越 冬する場所か何箇所かあったります。
もしそこでHPAIが流行すると、渡り鳥の被害は甚大なものとなります。実際、今シ ーズンでも瓢湖や、 鹿児島県の出水、宮城県の蕪栗沼周辺でHPAI感染の野鳥の死体が発見されていて、 いつ大流行が 発生してもおかしくない状況です。 大流行が発生した場合、場合によってはそれ以上の被害の拡散を防ぐために、 家禽と同様に一帯の渡り鳥をことごとく殺処分することも検討しなければならなく なるかもしれません。
そのような悲劇的な状況となる前に、越冬地の密度を低減させようという活動が10 年以上前から 行われています。当初は、過密による長期的な水質汚濁の進行等の渡り鳥の生活環 境の悪化が懸念でしたが、 HPAIの流行により、より目前に危機が迫ってきています。例えば『ふゆみずたんぼ 』も、 今は美味しいお米を作る活動まで広がっていますが、当初は、渡り鳥の越冬地を、 湖沼などの点から 冬期休耕中の水田という面に広げて、渡り鳥の過密を解消しようという運動から始 まったものだったりします。
近隣のロシア、中国、韓国、台湾などでも野鳥のHPAI感染例が継続して報 告されている中なので、 日本での野鳥のHPAI感染例は渡り鳥の期間中はしばらく途切れることはないでしょ う。こちらも大規模きな流行に移行することが無いよう祈るばかりです。
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<昨年末の12月27日に熊本県南関町の養鶏場で発生が確認された高病原性鳥インフル エンザ(HPAI)は、 防疫措置完了後の21日間に新たな感染が確認されたかったため、3km圏内に掛かっ ていた鶏や玉子の 移動制限が、1月19日0時に解除されました。 これで1月19日現在、家禽関係のHPAIへの対応は、1月14日に発生が確認された岐 阜県山県市の1件のみとなっています。
HPAI発生の報道は全国でなされますが、こういう解除の報道は地元以外ではあまり 大きく報道されませんので、 いちおうメルクマールとしてブログに記しておきます。
そして、今のところ家禽に関するHPAIの封じ込めは上手くいっているようですが、 野鳥に関しては、監視重点区域が17道府県100箇所以上で継続設定されており、 まだまだ予断を許さない状態です。
このまま大きなアウトブレイクがなく経過することを祈るのみです。
【参考】
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吾妻ひでお氏のパラパラ漫画2冊です。コミケの最中にも有名な方が入手されたと写真をアップされてましたね。
内容はどちらも、女の子がエロくて可愛くてかっこ良い。
『しん・のた魚』は、シン・ゴジラの蒲田くんがのた魚に似ているというネタから発展したパラパラ漫画。海から上がったのた魚が、カワイ格好良いカヨコ(だよね?)と遭遇し、なんやかんやで立ち上がったのた魚が、あーなってこーなって、最後、《◯◯◯が◯◯》になるという衝撃(笑)の結末でありました。そうか、そーだったのか。カヨコのアクションがみどころです。
『ミャアちゃんとお風呂』は、ミャアちゃんがお風呂にはいって、なんだかわからないものと遭遇してなんだか分からないことがおきてなんだかわからない結末になるというなんだかわからない物語。お風呂に入る前の丁寧な脱衣動作が見どころでした。
そういえばあじま先生が2016年9月のツイッターでパラパラ漫画を公表していました。それとくらべると、冊子の『しん・のた魚』には1枚おまけがついています。どんな絵かは買ってのお楽しみ。
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前回に引き続きコミケ91で出会った面白い本の紹介です。
今回は表紙から分かる通り《消波ブロック》の本です。コミケで消波ブロックを検索するとここしかでてきません。
内容は消波ブロックの基礎知識と魅力、観察をする方法などなど。地味な内容ですがこれが消波ブロックの本、3冊目だとか。この本の作者も《ジュゴンブロック》の形の不思議さには魅せられたようで、会場では私も上手く話せなかったのですがアレの形は印象深かった。
※コミケ91で買った本一覧はこちら→『コミックマーケット91で買った本 - 路傍亭@はてな』
ちなみに2014年に新潟の海岸で私が撮った、テトラポット作成中の写真が以下です。写真の右側に型枠で養生中と脱型後のテトラポットが見えます。
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今回のコミケは、時間的体力的に評論ジャンルを流し見する余裕があったので、面白い本との出会いがありました。
今回紹介するのはその1つ。『意外と知らない信玄餅のセカイ』
内容は、まずは桔梗屋と金精軒の信玄餅の食べ比べ。変わり信玄餅として金精軒の水信玄餅も言及されています。(夏限定なので水信玄餅は実食なし)圧巻は諸派ある信玄餅の食べ方の比較。凹みに蜜入れ、包み紙広げなど実際にそれぞれのやり方で 食べてみて長所短所を論じているところはDPZぽくって好感が持てます。 巻末の信玄餅詰め放題ツアー(そんなのがあるのか)体験記も面白い。
後書きによると、このサークルは同人誌作成が今回初めてだそうですが、 写真をメインにしたオールカラーのとても綺麗な本でした。
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2016年に見た映画は以下のとおり。
25タイトルのべ27回鑑賞。4月に地震があったけど、平均すると月に2本以上見てたことになる。多分、いままでで最高記録だ。
今年はインパクトのある映画が多かった。ベストは5つ(見た順)で、「オデッセイ」「変態仮面2」「シン・ゴジラ」「聲の形」「この世界の片隅に」だな。「ミラクルニール」や「ズートピア」もウェルメイドで良かった。
訳が解らなかったで賞は「ロブスター」と「ハイライズ」の2本だ。
※他の年に見た映画はこちら→【見た映画《記事リスト》】
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新年、あけましておめでとうございます。
今年もあちこち寄り道しながら見聞きしたイロイロな物事を報告したいと思っておりますので、よろしくお付き合いの程、お願い致します。
みなさまにとって、また良き1年であらんことを。
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