野鳥の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)について
先般の記事で、現在17都道府県でHPAIの野鳥監視重点区域が設定されているところだと書きました。
野鳥に関しては通常は生息密度が小さいのでHPAI感染鳥が居ても大きな流行になる 確率はそう高くはないのですが、 日本の場合、新潟の瓢湖みたいに一箇所に数千羽から数万羽の渡り鳥が密集して越 冬する場所か何箇所かあったります。
もしそこでHPAIが流行すると、渡り鳥の被害は甚大なものとなります。実際、今シ ーズンでも瓢湖や、 鹿児島県の出水、宮城県の蕪栗沼周辺でHPAI感染の野鳥の死体が発見されていて、 いつ大流行が 発生してもおかしくない状況です。 大流行が発生した場合、場合によってはそれ以上の被害の拡散を防ぐために、 家禽と同様に一帯の渡り鳥をことごとく殺処分することも検討しなければならなく なるかもしれません。
そのような悲劇的な状況となる前に、越冬地の密度を低減させようという活動が10 年以上前から 行われています。当初は、過密による長期的な水質汚濁の進行等の渡り鳥の生活環 境の悪化が懸念でしたが、 HPAIの流行により、より目前に危機が迫ってきています。例えば『ふゆみずたんぼ 』も、 今は美味しいお米を作る活動まで広がっていますが、当初は、渡り鳥の越冬地を、 湖沼などの点から 冬期休耕中の水田という面に広げて、渡り鳥の過密を解消しようという運動から始 まったものだったりします。
近隣のロシア、中国、韓国、台湾などでも野鳥のHPAI感染例が継続して報 告されている中なので、 日本での野鳥のHPAI感染例は渡り鳥の期間中はしばらく途切れることはないでしょ う。こちらも大規模きな流行に移行することが無いよう祈るばかりです。
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