極北
「演歌の極北」とか「詩人の極北」とかの『極北』の正式な意味はなにだろうと調べてみたら、辞書的には「北極の近く」という意味しかないことが判った。
「極北」が比喩的な意味なら、なぜ極北だけ使われて極南が使われないのだろうか。北に何か意味があるのだろうかと引き続き調べたところ以下のサイトにたどりついた。
これによると、大きな辞書でも「北極に近い」「北の果て」という意味しかないそうな。
しかし、それ以外の比喩的表現の用例として
角川文庫『モルグ街の殺人事件』(昭和29.7.20初版)の解説「編集部H・O」氏の文章にその詩精神のいはば極北に立つヴァレリイと出てくるそうです。その後の方には
人間性のいはば《極北地域》とあって、そこにウルチマ・チユウレとルビが振られているとのこと。
というのがあったそうな。この《ウルチマ・チユウレ》については、
研究社『新英和中辞典』によれば、「ultima Thule」は「ラテン語‘remotest Thule’の意から;古代の航海家がブリテン島の北方にあると想像した島の名から」、「1 世界の果て.2 最北端.3 a 極限,極点.b はるかなる目標[理想]」と書かれています。
とのこと。
『極北』は欧州の人が北に夢見た理想郷のことだったんですね。もし敢えて亜州の事物に意訳するなら『西方浄土』とか『ニライカナイ』とかそういうニュアンスをもった地名になるのでしょうか。
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