『人類は衰退しました』田中ロミオ
SF系の人の書評で評判が良かったんで読んでみました。
シンギュラリティものとしてヨコハマ買い出し紀行みたいな脱力系ののんびりした物語として読むもよし、妖精さんの可愛さに悶絶するもよし、気楽に読めるウエルメイドな娯楽小説でした。それだけで値段分の価値はあり。
さらに深読みしてしまうと、妖精さんの無意味に豪華で、しかもすぐ放棄してしまう都市づくりやら、形だけで間に合わせた世界作りやらが、バブル的な街の建設やテレビ等の娯楽用の疑似イベントだらけの今の都市のカリカルチュアに見えてくる。ペーパークラフトの恐竜世界とか象徴的じゃないか。
そう見ると、旧人類の妖精さんと切り離された貧弱な生活環境は、都市の繁栄と日常生活の繁栄がリンクしていないことの反映だったりして。
まあ物語はそっちの文明批評の方には進まず、投げっぱなしスープレックスで話は終るんで、というか終らないまま終ってるんで、評価しにくいんだが、最初に言ったとおりウジャウジャと楽しむだけでも十分なので星4つ。
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