落語と着物
以前、落語の動作や小道具などについてまとめたときに、和服を着ることの利点欠点については言及していない。どういう効果があるかよく判らなかったからだ。
ところで、先日ここでも話題にした岡田斗司夫の「落語2.0」で、対談の相手だった唐沢俊一さんが日記で話題にしていて、落語家の和服着用について興味深い理由を示していた。
私に言わせれば、あれは衣装を着た独り芝居では絶対できない、複数の人間を演じ分ける、という落語の特性に適合した、ニュートラルな“誰でもない”衣装、である。
いま、誰も着ていない服装だからこそ、イメージでどんな服を着た人物にも、人間以外のもの(動物とか物体とか)にもなれる。
非常に納得できる理由である。落語の演技は7割くらいの没入で、座布団に座って小さな動作で演じることで、複数の人間を高速に演じ分けるのが特徴である。(→前述のまとめより。あ、「7割没入」は唐沢議長から教えてもらってたんだった。)和服はその落語の特徴を補強するニュートラルな服であるということだ。他にも理由はあるかもしれないが、これが大きな理由の一つであるのは間違いないだろう。
さて、では、ニュートラルな落語に相応しい服は和服だけだろうか。複数人を演じ分ける芸は落語だけではない。
例えば、パントマイマーが着る全身タイツ(に腰スカーフ)を着て、座布団か椅子にすわって落語をするとどうだろう。
あるいは、道化師(ピエロでなくてクラウンの方)が着る、組合せがデタラメな派手派手な洋服ではどうだろうか。
ちょっと面白いかもしれない。誰かやらないかな。
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