漫才:米粒写経
先日、浅草東洋館のエンタメヒットパレードで米粒写経を観た。
ボケのボケ方が徹底していて、とにかく意味の無い動作を仕掛け、相方が冷たく突っ込む。 その徹底度合いと繰り返しで、激しく笑った。 東京ダイナマイトに似た感じだと思ったら、片方はダイナマイトのハチミツ二郎と組んでたことがあるそうな。納得。 笑いだけで言うと、今年の一押しのコンビになるかもしれない。
ただ、東京ダイナマイトの時にも感じたんだけど、終ったあとに爽快感や心地良い笑い疲れが無い。 何にもなくてただ「笑い」があるだけな感じがする。それもちょっと嫌な感じの。何も無いというとパイソンのナンセンスもそうなのだが、あちらには混乱があってそのメマイが心地良いのだ。
それがどこから来るのか、いまのところ以下の点じゃないかと思っている。
- 会話を成り立たせようという努力が無く、コミュニケーションを拒否したところから漫才が始まっている
- 冷徹な突っ込み役が一回も崩れない。
私が思うに、漫才、特に関西系の漫才は、会話を成り立たせよう成り立たせようと、 努力して努力して努力して、でも変になって駄目でしたで笑いを取るのが基本だと思っている。 なのに最初から会話を成り立たせる気が無いような構成なのである。 まあ「最近の東京の若者の会話」がそうなのかもしれない。そうだとすればこれはこれでリアルなんだろう。
2点目、突っ込み側の(演技上の)優越感が一回もくずれない。 落語なんかでは、与太郎側、劣等感側の逆襲が大きな要素の一つだ。 夫婦漫才で一方的に攻撃するのは、普段の生活で弱いと目されている女性の方で、 男性が突っ込みつづけ女性を攻撃しつづける夫婦漫才は無い。あったら多分、悲惨で見てられない。 東京ダイナマイトもそういう傾向はあるが、米粒写経ほどは徹底されていない。 上記の会話の不成立と合せて突っ込みが「愛のある突っ込み」には見えない。これも東京らしいと言ったら偏見だろうか。
さはさりながら、米粒写経の笑いはインパクトがある。彼等への不快感は、 「関西者の東京文化に対する違和感」「年寄が若者に感じる違和感」が原因である可能性は否定できない。 ともあれ、ちょっとイヤな感じだけど、米粒写経は要チェックや、ということで。
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