ゲーム脳の先達
最近話題のゲーム脳だが、皆さんも薄々覚えているとおり、 「脳に悪影響を与える危惧がある」とされるものはゲームだけには止まらない。 mixiやIRCで教えていただいたり、2chで色々指摘されているものを、列挙してみよう。
- 携帯電話脳
携帯電話の電磁波が脳に悪影響を与えるというもの。 例えば、「ケータイ電磁波の何が問題なのだろう」あたりに良くまとまっている。電波がガンや遺伝子の損傷(非熱作用)を引き起す危惧があるとするもの。
「電波が非熱作用を起こさないという証拠」もない
というのは確かにそうなのかもしれません。 - まんが脳
我々の同世代は「まんがばかり読んでいると馬鹿になる」と必ず親に言われています。 これも「まんがばかり読んでいても馬鹿にならない」という科学的な証拠は今になっても出ていない模様です。 (これについては原典が判りませんでした。)
- ご飯脳 (1958年〜)
慶應大学医学部教授の林氏が「米食をすると頭脳が悪くなる」と主張する「頭脳」という本を出版。 「米を食べると馬鹿になる」というパンフレットを作って、数十万部も配布した。(アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活)
これで日本の米消費量は急激に減少します。最近は健康に良いということで、 米食が見直されていますが、頭脳への悪影響の危惧は否定されたのでしょうか。
- テレビ脳 (1957年〜)
たとえば、 一億総白痴化と言われていたのを知っている人も多いでしょう。 評論家の大宅壮一が週刊誌に以下のような記事を書いたのが原点らしいです。
テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずらりと列んでいる。ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によって、『一億総白痴化』運動が展開されていると言って好い。
現在も、テレビ番組の内容は、そう変ってないように思われます。日本人の「総白痴化」は既にずいぶん進んでしまっているのかもしれません。
- 映画脳(活動写真脳) (昭和5年頃)
「 サイコドクターぶらり旅 」で纏められています。このサイトにて引用された、 金子準二の『犯罪者の心理』では、
活動写真の見物は、ある意味に於て、少年の反社会性の胚芽を培養すると見做さねばならぬのである。
とされている。映画を見るのも駄目なんでしょうか。 - 野球脳
野球をやると脳が損傷される恐れがあるというもの。明治時代に言われ始めたらしい。「文章大王(テキストキング)」で引用されている、 「戦後野球マンガ史 : 手塚治虫のいない風景」に理由が記載されている。
「野球選手が学科の出来ぬのは、野球に熱中の余り勉強を怠るのかと思ったら、そうでなく、手が強い球を受ける為その震動が脳に伝わって、柔らかい学生の脳を刺激し、脳の作用を遅鈍ならしめる異常を呈せる」。
そういえば4年程前に、サッカーをするとヘディングで脳が損傷するというニュースが流れていたことから考えると、 「運動が脳に与える衝撃では脳は損傷しない」という証拠も出されていないようです。
これ以外に「小説脳の恐怖」が明治には説かれていた模様です。
ざっと調べただけで、これだけ脳に影響を与える危惧があるものが、長期間放置されてきています。 ゲーム脳の恐怖なんて言わなくても、日本人の脳はもうグチャグチャなのかもしれません。
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