カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2018.11.05

【ネタバレあり】映画『億男』追補

「映画『億男』@路傍亭」の記事の続き》

『億男』の感想の記事を書いた後でパンフレットを読んだら、あの記事の感想や疑問の答え合わせみたいな内容がたくさんあったのでメモがわりの記事。

「ぼくのひとつの目標は最後まで退屈せずに観せることだった」
(監督:大友啓史)

これは監督の策にまんまとはまって2時間退屈しなかったなあ。

そして《陳腐な感想》については、

「お金の物語には(そもそも)結論が出ているんですよね。幸せって、お金だけじゃないという結論が。」
(監督:大友啓史)

と、そもそも異論とかそれ以外のものを描く訳ではなかったということなのだ。

「九十九もまだお金の全容を理解していない。今もまだ「お金が何なのか?」を探している」
(脚本:渡部辰城)

そして「お金が何なのか」の正解を示したものでもない。

九十九の「夢になるといけない」対象は何かと、エンドロールについては、 答えは書いてなかったが、以下の主役2人の発言がヒントとなるのではないか。

「昔はしょっちゅうつるんでいた友達でもなかなか逢わなくなって、年に一回とか、数年に一回とかになる。そこはリアルな感じがします。九十九と一男もそうだと思うんですよ。」
(佐藤健 as 大蔵一男)
(九十九は)「つまり二巡目の旅」
(高橋一生 as 古河九十九)

エンドロールで私が見逃していたのは、多分、あのモロッコは物語上でいつ時点の モロッコか、ということだ。大学時代の旅行の思い出のアルバムと判断して 漫然と見ていたが、あれ、ラストシーンで九十九が旅立った先がモロッコで、 そこで一男と再開した姿だったのかもしれない。(漫然と見ていたので 確証がないが。)

《かつてのバイカムの仲間との関係が夢の如くに消えてしまった》ようなことが一男と九十九の間にないよう、祈り、距離を取る姿があの「夢になるといけない」という つぶやきなのだろう。

そして、志らくがインタビューで、芝浜の夫婦の関係性が、映画では一男⇔万左子と一男⇔九十九の2つの関係性に組み直されてたとし、最後は一男と万左子の幸せとは何かに持っていったと指摘した点、実は、一男と九十九の幸せについてもエンドロールで示されていたのではなかろうか、というのが今の所の私の推測である。

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2018.11.04

【ちょっとネタバレあり】映画『億男』

お金に振り回される人々をエキセントリックに次々と描いて2時間退屈しなかった。

高橋一生や佐藤健の演技はもちろん良かった。北村一輝の関西弁のヤな親父 のエキセントリックさがインパクトあったなあ。藤原竜也のカリスマの怪しげさや、沢尻エリカの静かに狂ってる 状態も強烈だった。

ただ、要所要所で挿入される九十九(高橋一生)が演じる芝浜が示唆的ではあるものの、 「お金の価値は~」とか「お金で変えないモノが~」という陳腐な感想に 回収される以上のモノはでてこなかった。いや娯楽作品だからいいんだけどさ。

それとラストで九十九がつぶやいた「夢になるといけない」の《夢にしちゃいけない対象》は何なのかという謎が 残っている。

ネットではエンディングが意味深だったという感想がいくつもあって、 私がなにかを見逃してるのかもしれない。

●追補あり→《映画『億男』追補》

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2018.09.21

仮面ライダージオウ 第2話

仮面ライダージオウのビルド篇の解決回。

常磐ソウゴのセリフ

時計の針だったら止めたり動かしたりできる。巻き戻すことだってできる。 でも人の人生は違う。自分が歩む未来は自分で選ぶしかないんだ。 自分で動かさない時間は動かないんだよ。
は居候先の伯父さんの受け売りだけど、このライダーの重要なテーマになるんだろうな。

ビルドの力を得たジオウが技を繰り出す時に流れる数式が《何だかわからない式》《間違った数式》というのは笑ってしまった。戦兎じゃないが「サイアクだ」。 この辺がジオウの限界の1つなのかもしれない。 理解できない力を理解しないままで使ってしまうことが今後の何かの伏線で、何かを経てライダーの力を正しく理解したときには、ビルドの数式が綺麗な数式になっている、だったりしたら良いねえ。深読み過ぎかもしれないが。

エグゼイド篇では絵夢本人が出てきてるし、 今後も変身前のライダーが出てくるんだったら、楽しみである。

タイムパラドックありまくりの世界を改変する物語なので、 むちゃくちゃもできるが、収集がつかなくなる可能性も高く、 どちらに進むか見守っていきたい。

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2018.09.19

映画『未来のミライ』

7月からずっとタイミングが合わなくて後回しになっていた映画『未来のミライ』ようやく観ることができた。


未来のミライ チケット

前半のザ=ドリフターズレベルのスラップスティックは大変面白かった。
が後半は、言いたいことは判るが、理が勝ちすぎてたし、加えて言葉での説明が多くて、
私は《好きくない》だった。


後半のくんちゃんが駄々をこねるところは、身にしみて共感できたが、
立ち直るときのくんちゃんは物分りが良すぎて、道徳映画か宗教映画かといった感じ。
だからかクライマックスの飛翔シーンには、開放感爽快感はなく、
細田監督も自覚しているように《落下し家族の歴史に縛られる》ためのジャンプだった。
そいうところも《好きくない》だ。


細田監督が上手いなと思ったのは、
先に述べたスラップスティックの他に、街の鳥瞰の絵のちょっとした違いで、
《同じ場所》で《違う時代》ということを表すところ。
しかも最初に家の形が違うというわかりやすさで時間の経過を示したあと、
後半には、大きく景色が違うけど、
鉄道(とトンネル)の形で《同じ場所》の《ずいぶん昔》であることを
にじませるところ。不思議な現象がおきるときの繰り返しも面白かった。
迷い込んだ《東京駅》の不気味さ、非人間的な雰囲気もデフォルメが効いて目を奪われた。


だから2時間近く飽きずに観ることはできた。が、あまり私には響かなかった。
そんな映画だった。

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2018.01.25

2017年に観た映画

年明け恒例の2017年に観た映画は以下のとおり。

  • 阿古屋
  • この世界の片隅に(2回目)
  • 虐殺器官
  • ひるね姫
  • モアナと伝説の海
  • キングコング 髑髏島の巨人
  • パッセンジャー
  • 夜は短し恋せよ乙女
  • Ghost in the Shell
  • 夜明け告げるルーのうた
  • メッセージ
  • やじきた
  • BLAME
  • ハイヒール
  • 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
  • パワーレンジャー
  • ワンダーウーマン
  • 君の声をとどけたい
  • ドリーム
  • Godzilla 怪獣惑星
  • KUBO 二本の弦の秘密 (吹替、字幕)
  • ブレードランナー 2049
  • め組の喧嘩
  • ゲットアウト
  • カンフーヨガ
  • ゴッホ 最期の手紙

以上26タイトル、27回鑑賞。 去年とだいたい同数でいいペースだった

ベストは5本で観た順に 「キングコング」「メッセージ」「鋼鉄ジーグ」「ドリーム」「Godzilla」だな。 それに「KUBO」や「ゴッホ」のような斬新な手法でよく作り込まれた映画が観られて面白かった。

ちなみに前年の記録はこちら→「2016年に観た映画」

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2017.01.22

シネマ歌舞伎『阿古屋』 at 電気館

シネマ歌舞伎『阿古屋』を見た。なんというか面白い面白くない以上に凄いものを観た感がある。

最初15分が舞台の裏側のドキュメンタリーで、本篇がプラス90分の全部で110分近い上映。

評判の玉三郎の三曲の演奏は、音楽的な良し悪しはよく解らないが、演奏する姿がとても綺麗だった。

そして、岩永左衛門ひとりだけ、生身の役者の後ろに黒子が2人つき、人形振りのロボットダンスで演じる狂気の演出よ。 科白も全部役者じゃなくて義太夫で語る徹底ぶり。元ネタが人形浄瑠璃だからなんだろうけど、それ以上にこの役がスタートレックでいうスポックやデータの役なんだと後で気づいた。

まずもって、阿古屋の登場シーンの花道の群舞がヒップホップ的。水責めをしようと出て来る竹田奴の、 歪んだ顔のメイクと、ゆーらゆら揺れる所作の狂気よ。

琴責めということで、お白州の拷問が、何故か琴、三味線、胡弓の演奏になるところは、若大将の加山雄三がギターを、裕次郎がドラムをいきなり演奏する映画と同じノリなんだろうなあ。

阿古屋の演奏シーンで、ヒトノココロが解らない岩永が、 背景で飽き飽きして居眠りしたり、 火鉢で悪戯したりする小ネタの仕草まで、いちいち人形振りでやる芸の細かさよ。

ワンピース歌舞伎とか、ピコ太郎のパロディとかも鑑みて、 歌舞伎の奥深さと自由闊達さに、あらためて あきれる感心する次第であった。

シネマ歌舞伎は、京都東京じゃなくて気軽に歌舞伎が観られるという意味で、いい企画だなあ。

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超入門落語the movie(NHK総合)

落語をドラマ仕立てで放送しようという試みは何度もあったけど、大概は失敗するか、 笑い話とは別物の感動物語になってるんで、この「超入門落語the movie」 も期待せずに見たのだけど、これが強烈に可笑しい。

新しい特徴は、落語を俳優が演じ直すのではなく、落語家の語りはそのままで俳優は当て振りで演技をするという所。 落語の語りのテンポの良さ、場面転換の早さをそのまま活かした画面が妙に可笑しい。総集編のメイキングで、 俳優が落語家の語りの速度に合わせるのが大変だったと語っていたし、カメラワークが切り返しの時はセリフの度に ぱんぱんアングルが変わって普通のドラマと比べると目まぐるしいくらいである。普通の演劇と比べると落語のテンポはかなり速いようである。

このテンポの良さを残したまま、コミカルなビジュアルを加えたところが勝因ではないだろうか。

「元犬」の裸のおっさんや「紙入れ」の奥さんのビジュアルのインパクトは強烈だったし、 「粗忽長屋」の宿六や「目黒の秋刀魚」の殿様の与太郎な表情がじわっと可笑しい。 「お菊の皿」の、お菊の親衛隊や調子に乗った着飾ったお菊とか実際見てみると改めてバカだねー。

落語の面白可笑しさを紹介する番組として、大成功じゃないかなあ。番組の締めの言葉も良い。

《『なんでい、落語って面白れえじゃねえか』、なあんてもし思っていただけたなら、今度はぜひ寄席に足を運んでみてください。アナタの脳の中に映像が浮かび上がってくるはずです》

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2017.01.05

2016年に観た映画

2016年に見た映画は以下のとおり。

  • 傷物語I
  • ガールズ&パンツァー
  • スターウォーズ フォースの覚醒
  • クリムゾンピーク
  • イットフォローズ
  • オデッセイ (2回)
  • シャーロック 忌まわしき花嫁
  • FOUJITA
  • 仮面ライダー1号
  • ズートピア
  • ロブスター
  • 変態仮面2
  • ハイルシーザー
  • ミスターホームズ
  • ミラクルニール
  • シン・ゴジラ (2回)
  • 帰ってきたヒトラー
  • ゴーストバスターズ
  • 聲の形
  • 君の名は
  • ハイライズ
  • スタートレック ビヨンド
  • スーパー歌舞伎 ワンピース
  • ゼーガペインADP
  • この世界の片隅に

25タイトルのべ27回鑑賞。4月に地震があったけど、平均すると月に2本以上見てたことになる。多分、いままでで最高記録だ。

今年はインパクトのある映画が多かった。ベストは5つ(見た順)で、「オデッセイ」「変態仮面2」「シン・ゴジラ」「聲の形」「この世界の片隅に」だな。「ミラクルニール」や「ズートピア」もウェルメイドで良かった。

訳が解らなかったで賞は「ロブスター」と「ハイライズ」の2本だ。

ちなみに去年と一昨年の記録はこちらに→『2015年に見た映画』『2014年に観た映画

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2007.07.09

映画:プレステージ(ネタバレ無し)

観客を騙す手品師たちが主人公であり、虚実いりまじり最後まで何が本当か分からない。
途中、ミスリーディングかもしれない伏線がいくつもあり、どれが真実の種明かしにつながる伏線かとどきどきしながらみていたが、まさか真実は最初から示されていたとは。

見事な構成で、130分の長尺なのに全中だるみもなく最後まで楽しめた。

星5つ。

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2007.06.15

映画:ウミヒコヤマヒコマイヒコ

舞踏家田中泯がインドネシアを旅し、村人と交流しながら踊るともなく踊る映画。

田中泯の舞踏が何を伝えようとしているのか何を表現しようとしているのか、ずっと判らなかった。
雰囲気や身体の動きは面白いと思うが、田中泯が何を目的で踊っているのか腑に落ちなかった。

このドキュメント映画も最初は、田中泯がいつものように踊っているのだなという感じて見ていた。
だが、ウミヒコの章で、舳先で身体をモゾモゾ動かす彼や、水の中でのたうち回る彼を見、寝苦しい夜に気持良い所を探しているような、暖かい所を探し出す猫のようだと思った時に気付いた。

田中泯は世界を(気持ち良く)感じる為に、身体を動かし続けているのではないだろうかと。

巨大な神木のような樹木にまとわりつく彼や、道に寝転がる彼を見ることでその思いは強くなった。してみると彼が突然手足をブラブラさせたりふらついたりするのは、その身体の感覚を楽しんでいるのであり、子供を前に奇矯な動作するのは、子供の反応を引き出してそれを楽しむためであろう。稲刈りの労働を思い出し思い出して踊るのは、その時の身体感覚を身体の中で反芻して味わっているのだ。

田中泯は、全身を使って世界にちょっとだけ働きかけ、全身を受信機にして、自分の身体を含むこの世界を感じている所を我々に見せ/感じさせたいのではないのだろうか。

そんな感じがした。

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