カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2020.01.13

映画:カツベン!

たぶん奈良の片田舎、誰もが何かしら悪いことをしないと生き延びられなかった時代、活動写真の興行と活動弁士を巡って 人々があがきまわるコメディ。

ステレオタイプな登場人物が芝居がかった行動と芝居がかったセリフをやりとりする、 まさに無声映画みたいなドタバタのハチャメチャなコメディを、ワクワクしながら見せてもらった。

「観客は映画を見に来てるのではない、弁士を見に来てるのだ」と自信満々の茂木、 「映画はフィルムだけで完成しており弁士は余分な説明を加えているだけ」と嘯く山岡、 青木館のピンチに燃え残ったフィルムを四苦八苦してつないだデタラメな映画を弁士の説明で作品にしてしまう国定、 三者三様の活動弁士に対する取り組みは、どれが正しい/間違いというわけでもなく、 それぞれが真摯な態度であり、それゆえ彼らが紡ぐ物語は須らく骨太の物語となる。

最初から最後まですれちがいを続ける梅子と俊太郎も良い関係である。 直接的な言葉の表現は1つもなく、しっかり思いを確認したわけでもないのに、2人の気持ちははっきりと観客に伝わってくる。 それこそ《絵の力》である。

琴子の悪女ぶりも良かった。自分の欲望に素直に、美意識高く行動する琴子。それでも手に入らない俊太郎にしたキスは キャラメルの味がしたのだろうか。

良い人は全然でてこないが楽しい良い映画だった。

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2020.01.01

2019年にみた映画

あけましておめでとうございます。本年もよろしうおつきあいの程おねがいもうしあげます。

さて新年1本目は毎年恒例昨年2019年に見た映画リストです。見た順です。

  • 仮面ライダー平成ジェネレーションズ
  • ジョニー・イングリッシュ
  • ファーストマン
  • アクアマン (2回)
  • アリータ
  • スパイダーバース
  • モータルエンジン
  • キャプテンマーベル
  • 名探偵ピカチュウ
  • ハイライフ
  • プロメア (2回)
  • MIB インターナショナル
  • 鷺娘
  • 君と波に乗れたら
  • 劇場版パタリロ
  • 天気の子
  • この素晴らしい世界に祝福を 紅伝説
  • HELLO WORLD (2回)
  • アド・アストラ
  • ジョーカー
  • ルパン三世 THE FIRST
  • シティーハンター 史上最香の作戦
  • ヒックとドラゴン 聖地への冒険
  • この世界のさらにいくつもの片隅に

24本27回とわりといいペースで鑑賞していました。

ベスト3は順不同で、『スパイダーバース』『HELLO WORLD』『この世界のさらにいくつもの片隅に』。娯楽に振り切った、『アクアマン』『プロメア』『パタリロ』も捨てがたいです。『ヒックとドラゴン』や『元気の子』『名探偵ピカチュウ』のようなウェルメイドな作品にも多く出会えました。

訳が分かんなかったで賞は、『ハイライフ』『アド・アストラ』の2本でした。

ことしも面白い良い映画とたくさん出会えますように。

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2019.04.15

シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』

シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』見てきました。とても良かった。野田×歌舞伎なんで、本体は言葉遊びやメタな発言が多いまさに楽しい《贋作》で、でもちゃんと安吾のテーマで終息させた。しかし、更にその上に《救い》をのせて来るとはっ!凄いなあ。最後ちと泣いてしまった。

Sakuranomorino

『夜長姫と耳男』や『桜の森の満開の下』などの坂口安吾の小説は高2から高3にかけてむさぼるように読んで、自分の美意識の根っこに刺さっているのだ。今回それをまた確認できた。

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2019.01.16

2018年に観た映画

年明け恒例の2018年に観た映画は以下の通り。

  • 京鹿子娘五人道成寺
  • バーフバリ2 王の凱旋
  • グレイテスト ショウマン
  • 空海
  • シェイプ オブ ウォーター
  • ブラックパンサー
  • ゆれる人魚
  • ヴァレリアン
  • レッドスパロウ
  • レディ プレイヤー1(2D字幕、IMAX3D吹替)
  • ランペイジ
  • ゴジラ 決戦増殖機動都市
  • リズと青い鳥
  • ニンジャバットマン
  • BLEACH
  • ペンギンハイウェイ
  • カメラを止めるな
  • 未来のミライ
  • 銀魂2
  • 若おかみは小学生
  • 億男
  • ゴジラ 星を喰う者
  • 来る
  • ア ゴースト ストーリー

25回24本で数は例年並みでした。

ベスト5ば観た順で「ヴァレリアン」「レディプレイヤー1」「ランペイジ」「リズと青い鳥」「ニンジャバットマン」かな。「バーフバリ」の迫力は別格だったし、「ペンギンハイウェイ」「カメラを止めるな」「若おかみは小学生」のようなウェルメイドの映画も多かった。

ちなみに去年の記録はこちら→「2017年に観た映画

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2018.11.05

【ネタバレあり】映画『億男』追補

「映画『億男』@路傍亭」の記事の続き》

『億男』の感想の記事を書いた後でパンフレットを読んだら、あの記事の感想や疑問の答え合わせみたいな内容がたくさんあったのでメモがわりの記事。

「ぼくのひとつの目標は最後まで退屈せずに観せることだった」
(監督:大友啓史)

これは監督の策にまんまとはまって2時間退屈しなかったなあ。

そして《陳腐な感想》については、

「お金の物語には(そもそも)結論が出ているんですよね。幸せって、お金だけじゃないという結論が。」
(監督:大友啓史)

と、そもそも異論とかそれ以外のものを描く訳ではなかったということなのだ。

「九十九もまだお金の全容を理解していない。今もまだ「お金が何なのか?」を探している」
(脚本:渡部辰城)

そして「お金が何なのか」の正解を示したものでもない。

九十九の「夢になるといけない」対象は何かと、エンドロールについては、 答えは書いてなかったが、以下の主役2人の発言がヒントとなるのではないか。

「昔はしょっちゅうつるんでいた友達でもなかなか逢わなくなって、年に一回とか、数年に一回とかになる。そこはリアルな感じがします。九十九と一男もそうだと思うんですよ。」
(佐藤健 as 大蔵一男)
(九十九は)「つまり二巡目の旅」
(高橋一生 as 古河九十九)

エンドロールで私が見逃していたのは、多分、あのモロッコは物語上でいつ時点の モロッコか、ということだ。大学時代の旅行の思い出のアルバムと判断して 漫然と見ていたが、あれ、ラストシーンで九十九が旅立った先がモロッコで、 そこで一男と再開した姿だったのかもしれない。(漫然と見ていたので 確証がないが。)

《かつてのバイカムの仲間との関係が夢の如くに消えてしまった》ようなことが一男と九十九の間にないよう、祈り、距離を取る姿があの「夢になるといけない」という つぶやきなのだろう。

そして、志らくがインタビューで、芝浜の夫婦の関係性が、映画では一男⇔万左子と一男⇔九十九の2つの関係性に組み直されてたとし、最後は一男と万左子の幸せとは何かに持っていったと指摘した点、実は、一男と九十九の幸せについてもエンドロールで示されていたのではなかろうか、というのが今の所の私の推測である。

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2018.11.04

【ちょっとネタバレあり】映画『億男』

お金に振り回される人々をエキセントリックに次々と描いて2時間退屈しなかった。

高橋一生や佐藤健の演技はもちろん良かった。北村一輝の関西弁のヤな親父 のエキセントリックさがインパクトあったなあ。藤原竜也のカリスマの怪しげさや、沢尻エリカの静かに狂ってる 状態も強烈だった。

ただ、要所要所で挿入される九十九(高橋一生)が演じる芝浜が示唆的ではあるものの、 「お金の価値は~」とか「お金で変えないモノが~」という陳腐な感想に 回収される以上のモノはでてこなかった。いや娯楽作品だからいいんだけどさ。

それとラストで九十九がつぶやいた「夢になるといけない」の《夢にしちゃいけない対象》は何なのかという謎が 残っている。

ネットではエンディングが意味深だったという感想がいくつもあって、 私がなにかを見逃してるのかもしれない。

●追補あり→《映画『億男』追補》

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2018.09.21

仮面ライダージオウ 第2話

仮面ライダージオウのビルド篇の解決回。

常磐ソウゴのセリフ

時計の針だったら止めたり動かしたりできる。巻き戻すことだってできる。 でも人の人生は違う。自分が歩む未来は自分で選ぶしかないんだ。 自分で動かさない時間は動かないんだよ。
は居候先の伯父さんの受け売りだけど、このライダーの重要なテーマになるんだろうな。

ビルドの力を得たジオウが技を繰り出す時に流れる数式が《何だかわからない式》《間違った数式》というのは笑ってしまった。戦兎じゃないが「サイアクだ」。 この辺がジオウの限界の1つなのかもしれない。 理解できない力を理解しないままで使ってしまうことが今後の何かの伏線で、何かを経てライダーの力を正しく理解したときには、ビルドの数式が綺麗な数式になっている、だったりしたら良いねえ。深読み過ぎかもしれないが。

エグゼイド篇では絵夢本人が出てきてるし、 今後も変身前のライダーが出てくるんだったら、楽しみである。

タイムパラドックありまくりの世界を改変する物語なので、 むちゃくちゃもできるが、収集がつかなくなる可能性も高く、 どちらに進むか見守っていきたい。

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2018.09.19

映画『未来のミライ』

7月からずっとタイミングが合わなくて後回しになっていた映画『未来のミライ』ようやく観ることができた。


未来のミライ チケット

前半のザ=ドリフターズレベルのスラップスティックは大変面白かった。
が後半は、言いたいことは判るが、理が勝ちすぎてたし、加えて言葉での説明が多くて、
私は《好きくない》だった。


後半のくんちゃんが駄々をこねるところは、身にしみて共感できたが、
立ち直るときのくんちゃんは物分りが良すぎて、道徳映画か宗教映画かといった感じ。
だからかクライマックスの飛翔シーンには、開放感爽快感はなく、
細田監督も自覚しているように《落下し家族の歴史に縛られる》ためのジャンプだった。
そいうところも《好きくない》だ。


細田監督が上手いなと思ったのは、
先に述べたスラップスティックの他に、街の鳥瞰の絵のちょっとした違いで、
《同じ場所》で《違う時代》ということを表すところ。
しかも最初に家の形が違うというわかりやすさで時間の経過を示したあと、
後半には、大きく景色が違うけど、
鉄道(とトンネル)の形で《同じ場所》の《ずいぶん昔》であることを
にじませるところ。不思議な現象がおきるときの繰り返しも面白かった。
迷い込んだ《東京駅》の不気味さ、非人間的な雰囲気もデフォルメが効いて目を奪われた。


だから2時間近く飽きずに観ることはできた。が、あまり私には響かなかった。
そんな映画だった。

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2018.01.25

2017年に観た映画

年明け恒例の2017年に観た映画は以下のとおり。

  • 阿古屋
  • この世界の片隅に(2回目)
  • 虐殺器官
  • ひるね姫
  • モアナと伝説の海
  • キングコング 髑髏島の巨人
  • パッセンジャー
  • 夜は短し恋せよ乙女
  • Ghost in the Shell
  • 夜明け告げるルーのうた
  • メッセージ
  • やじきた
  • BLAME
  • ハイヒール
  • 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
  • パワーレンジャー
  • ワンダーウーマン
  • 君の声をとどけたい
  • ドリーム
  • Godzilla 怪獣惑星
  • KUBO 二本の弦の秘密 (吹替、字幕)
  • ブレードランナー 2049
  • め組の喧嘩
  • ゲットアウト
  • カンフーヨガ
  • ゴッホ 最期の手紙

以上26タイトル、27回鑑賞。 去年とだいたい同数でいいペースだった

ベストは5本で観た順に 「キングコング」「メッセージ」「鋼鉄ジーグ」「ドリーム」「Godzilla」だな。 それに「KUBO」や「ゴッホ」のような斬新な手法でよく作り込まれた映画が観られて面白かった。

ちなみに前年の記録はこちら→「2016年に観た映画」

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2017.01.22

シネマ歌舞伎『阿古屋』 at 電気館

シネマ歌舞伎『阿古屋』を見た。なんというか面白い面白くない以上に凄いものを観た感がある。

最初15分が舞台の裏側のドキュメンタリーで、本篇がプラス90分の全部で110分近い上映。

評判の玉三郎の三曲の演奏は、音楽的な良し悪しはよく解らないが、演奏する姿がとても綺麗だった。

そして、岩永左衛門ひとりだけ、生身の役者の後ろに黒子が2人つき、人形振りのロボットダンスで演じる狂気の演出よ。 科白も全部役者じゃなくて義太夫で語る徹底ぶり。元ネタが人形浄瑠璃だからなんだろうけど、それ以上にこの役がスタートレックでいうスポックやデータの役なんだと後で気づいた。

まずもって、阿古屋の登場シーンの花道の群舞がヒップホップ的。水責めをしようと出て来る竹田奴の、 歪んだ顔のメイクと、ゆーらゆら揺れる所作の狂気よ。

琴責めということで、お白州の拷問が、何故か琴、三味線、胡弓の演奏になるところは、若大将の加山雄三がギターを、裕次郎がドラムをいきなり演奏する映画と同じノリなんだろうなあ。

阿古屋の演奏シーンで、ヒトノココロが解らない岩永が、 背景で飽き飽きして居眠りしたり、 火鉢で悪戯したりする小ネタの仕草まで、いちいち人形振りでやる芸の細かさよ。

ワンピース歌舞伎とか、ピコ太郎のパロディとかも鑑みて、 歌舞伎の奥深さと自由闊達さに、あらためて あきれる感心する次第であった。

シネマ歌舞伎は、京都東京じゃなくて気軽に歌舞伎が観られるという意味で、いい企画だなあ。

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