カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2017.01.22

シネマ歌舞伎『阿古屋』 at 電気館

シネマ歌舞伎『阿古屋』を見た。なんというか面白い面白くない以上に凄いものを観た感がある。

最初15分が舞台の裏側のドキュメンタリーで、本篇がプラス90分の全部で110分近い上映。

評判の玉三郎の三曲の演奏は、音楽的な良し悪しはよく解らないが、演奏する姿がとても綺麗だった。

そして、岩永左衛門ひとりだけ、生身の役者の後ろに黒子が2人つき、人形振りのロボットダンスで演じる狂気の演出よ。 科白も全部役者じゃなくて義太夫で語る徹底ぶり。元ネタが人形浄瑠璃だからなんだろうけど、それ以上にこの役がスタートレックでいうスポックやデータの役なんだと後で気づいた。

まずもって、阿古屋の登場シーンの花道の群舞がヒップホップ的。水責めをしようと出て来る竹田奴の、 歪んだ顔のメイクと、ゆーらゆら揺れる所作の狂気よ。

琴責めということで、お白州の拷問が、何故か琴、三味線、胡弓の演奏になるところは、若大将の加山雄三がギターを、裕次郎がドラムをいきなり演奏する映画と同じノリなんだろうなあ。

阿古屋の演奏シーンで、ヒトノココロが解らない岩永が、 背景で飽き飽きして居眠りしたり、 火鉢で悪戯したりする小ネタの仕草まで、いちいち人形振りでやる芸の細かさよ。

ワンピース歌舞伎とか、ピコ太郎のパロディとかも鑑みて、 歌舞伎の奥深さと自由闊達さに、あらためて あきれる感心する次第であった。

シネマ歌舞伎は、京都東京じゃなくて気軽に歌舞伎が観られるという意味で、いい企画だなあ。

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超入門落語the movie(NHK総合)

落語をドラマ仕立てで放送しようという試みは何度もあったけど、大概は失敗するか、 笑い話とは別物の感動物語になってるんで、この「超入門落語the movie」 も期待せずに見たのだけど、これが強烈に可笑しい。

新しい特徴は、落語を俳優が演じ直すのではなく、落語家の語りはそのままで俳優は当て振りで演技をするという所。 落語の語りのテンポの良さ、場面転換の早さをそのまま活かした画面が妙に可笑しい。総集編のメイキングで、 俳優が落語家の語りの速度に合わせるのが大変だったと語っていたし、カメラワークが切り返しの時はセリフの度に ぱんぱんアングルが変わって普通のドラマと比べると目まぐるしいくらいである。普通の演劇と比べると落語のテンポはかなり速いようである。

このテンポの良さを残したまま、コミカルなビジュアルを加えたところが勝因ではないだろうか。

「元犬」の裸のおっさんや「紙入れ」の奥さんのビジュアルのインパクトは強烈だったし、 「粗忽長屋」の宿六や「目黒の秋刀魚」の殿様の与太郎な表情がじわっと可笑しい。 「お菊の皿」の、お菊の親衛隊や調子に乗った着飾ったお菊とか実際見てみると改めてバカだねー。

落語の面白可笑しさを紹介する番組として、大成功じゃないかなあ。番組の締めの言葉も良い。

《『なんでい、落語って面白れえじゃねえか』、なあんてもし思っていただけたなら、今度はぜひ寄席に足を運んでみてください。アナタの脳の中に映像が浮かび上がってくるはずです》

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2017.01.05

2016年に観た映画

2016年に見た映画は以下のとおり。

  • 傷物語I
  • ガールズ&パンツァー
  • スターウォーズ フォースの覚醒
  • クリムゾンピーク
  • イットフォローズ
  • オデッセイ (2回)
  • シャーロック 忌まわしき花嫁
  • FOUJITA
  • 仮面ライダー1号
  • ズートピア
  • ロブスター
  • 変態仮面2
  • ハイルシーザー
  • ミスターホームズ
  • ミラクルニール
  • シン・ゴジラ (2回)
  • 帰ってきたヒトラー
  • ゴーストバスターズ
  • 聲の形
  • 君の名は
  • ハイライズ
  • スタートレック ビヨンド
  • スーパー歌舞伎 ワンピース
  • ゼーガペインADP
  • この世界の片隅に

25タイトルのべ27回鑑賞。4月に地震があったけど、平均すると月に2本以上見てたことになる。多分、いままでで最高記録だ。

今年はインパクトのある映画が多かった。ベストは5つ(見た順)で、「オデッセイ」「変態仮面2」「シン・ゴジラ」「聲の形」「この世界の片隅に」だな。「ミラクルニール」や「ズートピア」もウェルメイドで良かった。

訳が解らなかったで賞は「ロブスター」と「ハイライズ」の2本だ。

ちなみに去年と一昨年の記録はこちらに→『2015年に見た映画』『2014年に観た映画

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2007.07.09

映画:プレステージ(ネタバレ無し)

観客を騙す手品師たちが主人公であり、虚実いりまじり最後まで何が本当か分からない。
途中、ミスリーディングかもしれない伏線がいくつもあり、どれが真実の種明かしにつながる伏線かとどきどきしながらみていたが、まさか真実は最初から示されていたとは。

見事な構成で、130分の長尺なのに全中だるみもなく最後まで楽しめた。

星5つ。

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2007.06.15

映画:ウミヒコヤマヒコマイヒコ

舞踏家田中泯がインドネシアを旅し、村人と交流しながら踊るともなく踊る映画。

田中泯の舞踏が何を伝えようとしているのか何を表現しようとしているのか、ずっと判らなかった。
雰囲気や身体の動きは面白いと思うが、田中泯が何を目的で踊っているのか腑に落ちなかった。

このドキュメント映画も最初は、田中泯がいつものように踊っているのだなという感じて見ていた。
だが、ウミヒコの章で、舳先で身体をモゾモゾ動かす彼や、水の中でのたうち回る彼を見、寝苦しい夜に気持良い所を探しているような、暖かい所を探し出す猫のようだと思った時に気付いた。

田中泯は世界を(気持ち良く)感じる為に、身体を動かし続けているのではないだろうかと。

巨大な神木のような樹木にまとわりつく彼や、道に寝転がる彼を見ることでその思いは強くなった。してみると彼が突然手足をブラブラさせたりふらついたりするのは、その身体の感覚を楽しんでいるのであり、子供を前に奇矯な動作するのは、子供の反応を引き出してそれを楽しむためであろう。稲刈りの労働を思い出し思い出して踊るのは、その時の身体感覚を身体の中で反芻して味わっているのだ。

田中泯は、全身を使って世界にちょっとだけ働きかけ、全身を受信機にして、自分の身体を含むこの世界を感じている所を我々に見せ/感じさせたいのではないのだろうか。

そんな感じがした。

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2007.02.13

2006年に見た映画

本当は年明けすぐにやるつもりだったのが忘れてました。


  • Mr & Miss スミス
  • エリエリレマサバクタニ
  • ガメラ
  • ナイスの森
  • ローズインタイドランド
  • 日本沈没
  • 時をかける少女
  • パプリカ
  • 甲野善紀身体操作術

去年は9本。ちょっと少なかったな。マイベストは時かけ、次点はパプリカ。

スミスを除く8本ともそれぞれ印象的なシーンが思い出される良い映画だった。

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2007.01.30

映画:悪夢探偵

先日、仙台フォーラム悪夢探偵を見てきました。
直前に、監督がヴィタールの塚本監督であることを知り、ヴィタールあまり相性が良くなかったので嫌な予感がしたのですが、やはり駄目でした。

言葉が空虚に踊っていて会話になっておらず、キャラクターが紋切り型で必然性も動機もなく行動する。ストーリーを追うのが辛かったです。途中で塚本ファンの発言を思い出し、言葉を聴かずに絵だけを見るようにしました。

血糊、臓物そしてヒロインの汗ばむ肉感的な肉体。エリート刑事なのに必然性もなくぴちぴちタイトスカートだったのは、こういう必然性があったからなのか。確かに絵がよくて、エロいほどナマナマしい。

とって付けたようでくっ付いてないセリフとストーリーなんだから、もう不条理でもいいから絵だけで勝負してもいいと思うのに、なぜこんなストーリをつけようとするかなあ。なんか残念。

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2006.08.02

映画:ローズ・イン・タイドランド

悪趣味全開で万人には勧められない。

ドラッグでロリコンでネクロフィリアで女装で狂気がこれでもかとやってくる。でも、それでも綺麗で、ジェライザ=ローズから目が離せない。

いつものような観客を現実と幻想の間には引き込まない。ハザマになだれこみ、そこでしたたかに生きるのはローザだ。おそろしいくらいにしたたかに、美しく。

見ている最中は嫌だったが、終ると、何か気になる、そんな映画だった。

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2006.01.15

2005年に見た映画

ちょっと遅くなたが、2005年に見た映画を見た順に挙げてみる。

  • カンフーハッスル
  • ヴィタール
  • トニー滝谷
  • 真夜中のヤジキタ
  • インザプール
  • 快楽亭ブラックの四谷怪談
  • ヒノキオ
  • チームアメリカ
  • 妖怪大戦争
  • ワーストコンタクト
  • ブラザーズグリム
  • 奇談
ちょうど12本。いつもより少な目だったな。
印象深いのは、カンフー〜、ヒノキオ、グリム、奇談の4本だ。
妖怪大戦争も面白かったな。
ただ、はずれも多い年だったなあ。

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2005.07.24

HINOKIO

泣ける、微笑ませてくれる、いい映画だった。2時間近い上映時間があっという間に過ぎた。

エキセントリックな事件も、過剰な恋愛沙汰もなく、淡々と出来事を連ねているだけなのに、 どうしてこんなに引き込まれて、泣けるのだろう。

全編を通じて人間に対する優しい視線。 ひきこもりや傷ついた人に対する、同情でも哀れみ励ましでもない、理解をしようとする優しい視線にあふれていて 安心してみていられる。

ハイテクロボットが狂言回しになっているが、正統王道の少年少女の成長、成熟の物語。 変にテラわなくても、まっとうなことをまっとうにつなげればこんなにいい映画ができるんだ。

なのに観客4人(品川プリンスシアター)だったのは残念だ。

ちなみに牧瀬里穂の眼鏡助手には萌えてしまった(笑)

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