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2006年10月の記事

2006.10.29

落語とアイコンタクト

9月24日に、東北大学落語研究部が大阪と東京から落語家を呼んで勉強会を開催した。番組は以下の通り。


  • 剛家茶夢風流(学生) 権兵衛狸
  • 笑福亭遊喬(上方落語) 堪忍袋
  • 立川志ら乃(東京、立川流)火焔太鼓
  • 仲入り
  • 志ら乃 粗忽長屋
  • 遊喬 住吉駕籠

この勉強会で、素人の学生とプロの落語家を並べて見ることで、上手い落語家はどこが違うかについていくつか発見があった。今回はそのうちアイコンタクト(視線)に着目して延べてみたい。

○マエオキ
(※マエオキとは野村雅昭が提唱する落語のパート分け『マエオキ』『マクラ』『本題』『オチ』『ムスビ』の一番最初の部分で、あいさつや時候の話等。)

素人や前座はマエオキの時に、頭を下げたあと正面を向いたまま話しマクラにとりかかる。
ところが、志ら乃や遊喬は下げた頭を上げるときに、左右上下手前奥に細かく激しく動かして顏を向け、客席の全ての客と目を合わせるような仕草をする。これはこの2人だけではなく、例えば三遊亭好樂(『シブヤらいぶ館』NHKBS10月24日放送で確認)、笑福亭鶴光(『日本の話芸』NHK教育10月21日放送で確認)も同じような仕草をしている。

この仕草は一般的には落語家が客層を見ていると言われているが、全ての客とアイコンタクトを取る(全ての客に「落語家が自分とアイコンタクトを取った」と思わせる)ことに意味があるのではないかと予想している。例えばアイドルがコンサートで数万人の観客全てに、自分と目線が合ったと思わせているように。

○マクラ

落語家はマクラを話す時にも客席の隅から隅まで視線を配り続けている。前述の好樂は向って右からゆっくりと左へワイパーのように顏を回し、また右へ戻るという仕草をマクラの間中続けている。鶴光は、向って左→正面→右→左→正面→右と繰り返す。歌丸にしろ樂太郎にしろ、それぞれやり方は違うが、隅から隅まで視線を配りつづけている。

マエオキの時ほど念入りに視線を配らないのは、一度、アイコンタクトをしているので、軽く配るだけで十分だからではないだろうか。

素人の場合は、正面を向いたまま話すことが多い。前座クラスでも、正面を向いたままか、笑いを取った反応を確かめるときにちょっと視線を振るくらいに止まっている。

○本題 上下を振る時

落語で、人物の演じ分けをするときに顏を左右に振る(これを上下を振ると言う)が、素人にありがちなのが、顏を振ったときに視線が真横を向いてしまい、横の人と話しているようになっている。まるで横にいる仮想の人とコントをしているように。落語家は左を向いたときには正面から左の客に視線を向け、右を向いたときには正面から右の客に視線を向けている。客と視線を合わせ続けている。

コントや(一人)芝居は、客席の方へ話すことはあっても客と視線を合せては話さない。ここが落語と演劇が、大きく違うところじゃないだろうか。どいういう意味があるのかはよく判らないが。

○本題 地の話

落語で会話ではない説明(これを地の話と言う)をするとき、素人や前座は正面を向いて話す。さらにいえば素人は目線が上に泳いで、暗唱をしているみたいになりがちである。

これが落語家になると、地の話をする時にもマクラの時と同じように視線を配っている。好樂はワイパーのように顏を動かし、鶴光は左、正面、右と顏を向ける。地の話は暗唱ではなく、客への説明、客との会話であるから、視線を客に与えることは大事である。

ちなみに講談では、地の話を正面を向いたまま語っている。(神田伯龍 『日本の演劇』NHK教育10月28日放送で確認)この違いは何だろうか。

○まとめ

以上、落語において、素人、前座とプロの、アイコンタクト、視線の配り方が大きく違うことを指摘してみた。客と目線を合わせる力が特に初心者あたりの落語家の力量を測る1つの目安になるのではないだろうか。
これについては、視線を配るから上手いのではなく、上手いから結果として視線を配る余裕ができるという解釈も可能だが、客に伝えると技術としての視線について意識してみることは意味があることだと考える。

それでは同じく演芸の漫才の視線の扱いはどうだろうか。これはまた稿を改めて述べてみたい。

○関連する記事
落語とアイコンタクト:その2

(2006-11-25 追記)

笑芸評論のサイトでまとめなおしました。

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東北大学落語研究部落語発表会

141の5階エルパーク仙台というところで無料でやっていたので見てきました。

番組は

  • 何出家念(なんでやねん) 寄合酒
  • ぺなる亭きっく 道具屋
  • 何侘亭大介(なんちゃていだいすけ) 出来心
  • バラエ亭パック 青菜
  • 剛家茶夢無流(ごうやちゃんぷる) 三人無筆
  • 仲入り
  • 悶々亭凡寿(もんもんていぼんじゅ) 穴どろ
  • 笑富亭勃湖(えふていぼっこ) 寿限無
  • 北通亭遊楽(ほくつうていゆうらく) 野ざらし
最初の休み無し落語5席連続は、上手い人が出ても拷問だったと思う。まして素人をや(笑) 初舞台が2人いて、大学生の素人なので下手なのは当然なのだが、 朗読みたいだなとか、 前座みたいだなと思えるところはどこか、 見苦しく感じるところはどこかとか注意深く見ることで、 逆にプロの落語家はどこが凄いのかがちょっと見えた。(詳しくは別記事で)

共通に目についたところでは、まず座った姿勢が猫背で手が前すぎになってしまい素の話の時に、手が悪目立ちする。さらに猫背がゆえに、手に重心がかってしまって、演技の時に手が上手くうごかなくなってしまっていた。 あと朗読じゃないんだから、視線は宙をおよがさずに客にあてるほうが伝わると思う。 舞台度胸がつかないと、なかなか難しいとは思うが。

欠点を言うだけではなんなので、良かったところも。

大介は、マクラからハナシへ入るところが見事で感心した。 それに滑舌もよく、通りの良い声で聞きやすかった。初高座とは思えない。 パックは姿勢が非常に綺麗で、声の通りが良かった。 マクラの時に客を眺め回しながら話す落ち着きの良さがハナシの時にも出ればなあ。 着物のエリとソデがずっと乱れてたのと途中でハナシを度忘れしたのはご愛嬌。がんばれ。

茶夢無流は4年生だけあって落ち着いたもの。 彼も姿勢が猫背で悪いんだけど、手の位置が良く、上下を振る時に、御隠居、奥さん、ダンナ、カカアを微妙に手の位置でも演じ分けていて見事。仲入り以降は皆そつなくこなしていました。

お知らせでは、12月3日に同じ141で東北学院大学落語研究会の合同落語発表会(この東北大と合同なのかな?)があるらしい。最初にも書いたけどちょっと拷問なところがあるから、どうしようかな(笑)

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2006.10.15

Jリーグ:アルビ1−1サンガ@ビッグスワン

勝ち点は1しかとれなかったが、現地で見ていてまあ満足な試合だった。

高速道路から見たビッグスワン 下手だけど松井が4人いるような変則的な中央からの攻めを執拗にくりかえす。 守備システムは崩壊しているんだけど、高い位置から身体を投げだして積極的にボールを取る。 結果、不安定なゲーム運びにはなるけど、だけど面白い試合だった。

行きの4時間のバスの中で、サンガらしいサッカーって何が良いのだろうと考え、京都のイメージで理論的に考えると、ロートルでも実績のある人を、という以前の駄目駄目だったチーム作りにたどりついて、あれはしっかりマーケッティングを考えた上での行動だったのか!(でも駄目駄目だけど)という未来の無い結論が出たところで試合に臨んだところだった。

今日の試合運びは、2002年のそれとよく似ていて楽しかった。松井も朴も全盛期の黒部もいないけど、楽しかった。自分らが下手だということを前提にしたサッカーだよな。

ハシラのサッカーは、欠点を矯正して確実に勝ちにいくサッカーで実力通りの結果が安定して出る。確実な結果を求められての就任だから正解は正解だけど、実力が不足すると勝てない、勝てる気がしない。

いっそエレベーターチームであることを自覚し、不安定なサッカーで掻き回すことに徹っするのも良いんじゃないかと思いはじめた。

実際、紫って色占いでは、不安定の象徴でもあるし。

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2006.10.09

41サンチ砲

41サンチ砲 41cm反射型望遠鏡@仙台市天文台

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